ソナーの基礎知識
ソナーの見方

魚群探知機とソナーの違い

ソナーは自船の前方向や横方向など、全周囲の魚群分布状況を探知表示する、言わば高性能な水平魚群探知機です。一般的な魚群探知機が自船直下の探知映像を表示するのに対し、ソナーでは横や斜め方向の魚群を自在に探知できるため、ソナーを活用することにより効率的な探索が実現でき、漁業やスポーツフィッシングにおいて有効に活用されています。

ソナーの探知イメージ(自船周囲360°を探知)

魚群探知機 2周波 映像例

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サーチライトソナー 2周波併記 映像例

ソナーの表示画面(サーチライトソナー)

  1. 魚群の反応。図のようにカーソルを合わせると、自船から魚群までの距離と、その水深、そこへの方位を示す。
  2. 自船位置(上方向が船首となる)
  3. 自船の航跡(GPS等を接続することで、自船の航跡を画面上に描かせることができる)
  4. 海底反応(表層魚群の探知時など、ビームの角度〈ティルト〉が浅く設定していれば、このようなリング状の海底反応が現れない場合もある。)
  5. 瀬の反応(瀬の反応では、リング状の海底反応の内側に、このような凸部分が現れる)
  6. ビーム角〈ティルト〉(このインジケータで一目でその角度を認識できる。この角度は自由に変更可能。また、その中に現されている数字は、最大レンジまでの水平距離と水深を表示)
  7. 表示レンジ

水平表示モード

自船南方、約2キロ先に魚群反応。魚群の背後に瀬の反応が見えることから、瀬付き魚群と考えられる。

右の映像はソナーの基本画像となる水平表示モードです。画面の中心が自船位置となり、自船を表すマークから下方に伸びる細いラインは走行してきた自船跡を示しています。航跡はゆっくり左へ旋回し、ここまで取舵で進んできたことがわかります。表示の外側に大きく描かれた太い円は海底エコーです。この映像例では、超音波探知角(俯仰角)が21度になっており、深度の関係から海底映像が表示されています。自船の前方12時から1時方向に大きな魚群の反応が現れています。

断面表示モード

ソナーは水平方向のみを探知するだけでなく、自船直下から左右方向の断面映像も表示します。海底から海面まで横方向の魚群を見るのに最適です。右の映像はソナーの断面画像です。画面上では上方の真ん中にあるマークのところが自船位置になります。
ここから超音波の発射角度を変えながら左舷側から右舷側へと探知しています。自船位置の左舷側12メートル付近に固まっている反応は表層魚群です。水深4〜6メートル付近を遊泳していることがわかります。下方に映っている細長い線は海底です。

2周波表示モード

2周波表示モードでは、高周波と低周波による探知映像を見比べながらの魚群探索が可能です。右の映像では、自船位置(画像円の中心)から4時と8時方向にやや大きな魚群の反応が表れ、11時方向にも小さな魚群の映像が映し出されています。2周波併記は、遠方の魚群を低周波で早期に発見し、ターゲットに接近してからは、高周波で捉えた映像で魚群の形状や動きを把握し、効率的な漁獲につなげることができます。

ソナーの表示画面 (スキャニングソナー)

  1. 自船からカーソル位置までの直線距離、水平距離、水深、方位を表示
  2. ライン①の垂直反応(V1)の方位マーク
  3. カーソル(カーソル位置に魚群の反応)
  4. 垂直画面の水平レンジ(距離)表示
  5. 垂直画面の水深レンジ表示
  6. 水平画面のレンジ、ビーム角〈ティルト〉、表示モード
  7. 自船の航跡(GPS等を接続することで、自船の航跡を画面上に描かせることができる)
  8. 垂直画面のレンジ、感度

水平表示モード

このソナー映像は3000mレンジで表示されている。円の中心が自船位置で、一番外側(メモリのある円)までが3000mとなる。自船の前方、2000mあたりに濃い赤で示すエコーは瀬の反応。その手前に、瀬につく魚群反応が現れている。また、自船右側には、並走する他船の反応も表示されているのがわかる。
自船となる中心から、下の方へ伸びる白い線は、自船の航跡を表しており、右へと旋回し、魚群反応の方向にコースを変えたのがわかる。

2画面併記表示モード

設定の異なる水平探知を同時に二つ併記できます。異なるレンジやティルトで探索することで、2台のソナー装備と同等の効果を発揮。

ソナー画面を同時に2つまで表示できます。2画面の探知を同時に行うだけでなく、それぞれ独立した設定が可能です。 画面は表示位置(左右)、サイズ(2種類)を自由に選択できます。漁法に合った位置画面に設定できます。

2周波表示モードでは、高周波と低周波による探知映像を見比べながらの魚群探索が可能です。右の映像では、自船位置(画像円の中心)から4時方向にやや大きな魚群の反応が表れ、10時方向にも魚群の映像が映し出されています。

水平/垂直2方位併記表示モード

網を巻いた直後に、魚群が網から逃げないように、網の底部分(環ワイヤー)を絞り込んだ時の反応例。見事に網内に魚群が入っているのがわかる。

見たい方向を指定することで、水平から自船直下までの90度を見ることができる垂直モードを2つまで併記できます。魚群の高さ方向の広がりや中心位置等が瞬時に分かり、投網判断に有効です。さらに、垂直2方位併記では、2つの魚群比較も同時にでき、非常に便利です。