世界一周への挑戦 ダブルハンドヨットレース “GLOBE 40”。夢の達成に向けて日々チャレンジを続けたチームMILAIの記録。世界一周達成おめでとうございます! 世界一周への挑戦 ダブルハンドヨットレース “GLOBE 40”。夢の達成に向けて日々チャレンジを続けたチームMILAIの記録。世界一周達成おめでとうございます!

LEG 4
Auckland~Papeete

レース : 10月27日~11月9日 日数 13
2710海里

オークランドからパペーテまでの2,710マイルを走ります。東風の貿易風に向かって走る、向かい風のセーリングになるためタクティクスがとても難しいレグになります。

2022年11月4日
上位3艇で接戦を繰り広げたMILAIは1位!最後まで懸命に戦い、2位とは僅かな7分差(第1話)


Leg4に乗船する鈴木さん(左)、中川さん(右)


スタート時は大雨

Leg4は、AucklandからPapeeteまでの2,710海里のコースとなります。

今回私中川紘司は、プロローグ、Leg1に続いての参加となります。

プロローグ、Leg1までと変わり、現在MILAIは追う立場。なんとかこのLegでトップを取り、後半での挽回に向けたきっかけをつくりたいと思いながら、スタート地点のオークランドに到着いたしました。

到着したタイミングは、まさにキールの2度目の修理の真っ最中。オークランドのレースビレッジから少し離れたHalf Moon Bayというところに上架し、MILAI号(船)はマストもない、キールもない、何も無い状態でした。

そこから素晴らしいスピードでMILAIは、スタンバイ状態へ。そしてスタートの日を迎えました。

スタート日10月29日(土)はあいにくの雨予報。ただでさえスタート直前は精神的に落ち込むのですが、輪を掛けて雨模様。幸いにも、スタートラインから湾外まではリーチングでアプローチできそうなため、狭い航路をタックの繰り返しという状態は避けられました。

スタートラインは、オークランド「ハーバー・ブリッジ」のたもと。そして、世界最古のスポーツトロフィーであるアメリカスカップを保有する「ロイヤル・ニュージーランド・ヨット・スコードロン」のクラブハウス前からのスタート。MILAIは、いつも通りの安全スタートを心がけ、余裕を持ったスタート、のつもりだったのですが、総合成績1位と2位の、アメリカ艇(AMHAS)と、オランダ艇(SecHayai)がスタートラインで激しい攻防戦。結果、アメリカ艇はラインから押し出され、オランダ艇はリコール*。その隙を突いて、MILAIはとても良いスタートを切ることができました。(過去スタート直後に2度、他艇と接触事故を起こしているMILAIにとってスタートは鬼門。そのため、とにかく安全第一でのスタートを心がけております。)
*リコール:フライングのこと。ペナルティが課せられます。

そこから、ランギトト島の南を通過し、グレート・バリア島の南を通って南大洋へ出航いたしました。スタート直後は、20〜30knotのアップウインド*が続き、アップウインドに強い、AMHAS、SecHayaiに先を越されつつ、なんとか後半での逆転を狙いできるだけ大きく離されないよう粘りのセーリングでした。最初のタックは、11月2日(水)でしたので、スタートから丸4日が経過しておりました。最初にタックを返したのが、1位のAMHASと、3位のMILAI。AMHASは、再度ポートに返しつつ、約3時間後にはSecHayaiもタックを返す。MILAI、SecHayaiも風の振れを拾って一度ポートタックに返しつつ、全艇がスターボードタックに。この時点、直線距離で約1,000海里アップウインド全体の40%程度の距離を走破しておりました。
*アップウインド:風上に向かって走らせること

2022年11月7日
上位3艇で接戦を繰り広げたMILAIは1位!最後まで懸命に戦い、2位とは僅かな7分差(第2話)


日中は暑くて、熱中症に気をつけないと本当に危ない(中川さん)


後続艇に猛プッシュをされて、まだ日も出ていない段階で回航となった

スターボードタック*に返すまでは、進行方向はほぼ真東でしたので、気温はそれほど変化しませんでしたが、スターボードタックになってからは進行方向がほぼ真北に。イコール、毎日緯度が低くなるため、日々の気温の上昇を強く感じるようになりました。
*スターボードタック:船の右側が風上側になる状態

私自身(中川)はこの寒いところから暑いところに移動するセーリングが苦手で、どうしても服を脱ぐことを忘れてしまう癖があるため、今回は意識的にウェアの調整を早めにおこないました。それでも、一度軽めの脱水症状に陥りかけてしまいました。前回、モロッコからタンジェへのレグでも同じような経験があったため、冷静に体調をマネジメントすることが出来ましたが、時間を掛けてゆっくり気温上昇する環境は、是非みなさまお気を付け下さい。

レースの方は、ほぼ順位、相対距離に変わりは無く、1位AMHAS、2位SecHayai、そして3位MILAI。しかし後半は予報通り、最も風上に向かって進むクローズホールドから、徐々に風向き自体が南に回っていくことで、リーチング*へと変化していきました。これはMILAIにとっては有利な環境変化で、少しずつ先行するSecHayaiとの距離を縮めることに成功し、11月5日(土)スタートしてから丸7日目にして第2位にあがることができました。この際、SecHayaiとの距離は数海里まで近づき併走したため、SecHayaiとはVHFでのコミュニケーションを密に取ることができました。レース中は、ライバルでもあり仲間でもあるため、時には愉快なコミュニケーションを繰り返すこともあります。
*リーチング:風を横から受けて走らせること

MILAIが2位に上がった時点で、残り約1,000海里。レースも終盤に向かっておりました。当然次なる目標は1位を奪うことでしたが、AMHASの素晴らしい走りに、ぎりぎり食らい付くことで精一杯で、距離を縮めることが出来ないまま、今Leg唯一のウェイポイントであるボラボラ島付近まで到着。ボラボラ島回航後の距離は150海里。全2,500海里からみると、10%にも満たない距離でもあり、この時点で3位のSecHayai(5海里後方)の追い上げもあったため、40海里ほど前にいるAMHASを抜くことよりも、現実的には「2位を守るセーリング」への意識が強くなってきました。

そして、ボラボラ島回航。スタート前のイメージでは、ここまで来ればおおよそ各艇の距離も離れ、少しリラックスしながら、綺麗なボラボラ島を眺めながらの回航、をイメージしていたのですが、実際には後続艇に猛プッシュをされながら、なんとか先行艇の隙を見計らおうという神経質な展開かつ、まだ日も出ていない段階での回航となったため、私自身はほぼボラボラ島を見ることなく回航完了。そして、島特有の無風エリアにも留意しての回航となりました。

2022年11月11日
上位3艇で接戦を繰り広げたMILAIは1位!最後まで懸命に戦い、2位とは僅かな7分差(第3話)


激しいスコール後、ダブルの虹


激しい戦いでしたが、1位でフィニッシュしました!

回航直後は、AMHASとの距離が30海里程度だったため、AIS上にもAMHASは映っておらず、4時間ごとに更新されるGLOBE 40が提供するトラッキングサイトでAMHASの位置を確認することしか出来ない状況。後続艇のSecHayaiの位置はAISで確認できる距離にあったため、まずはSecHayaiをしっかりフォローしながらのアップウインドとなりました。

風は10knot程度、波が悪く思うようにスピードの出ない苦しい海面。日が出ると同時に激しいスコール。少しでも気を緩めると後続艇に抜かれる。あらゆるプレッシャーに追い立てられながら、無我夢中でセーリングを続けておりました。すると、突然AIS画面上にAMHASが表示されました。しかも、ほぼMILAIと同程度の位置。つまり、数時間で30海里の差をつめられたことになります。MILAI船内でも一瞬なにが起きたのか理解するのに時間を要しましたが、島影とスコールの影響で、風の向きが大きく異なりMILAIとSecHayaiにとってプラスに働いたようです。ということで、スタートから丸12日目、2,400海里をセーリングして残り約100海里の地点にして、1位〜3位が3海里以内に集まるという接戦が再スタートしました。

そこからは、とにかく激しいレース展開でした。AMHASとは常に5海里差以内のコース展開。1つミスをすれば絶対に負けてしまうという緊張感の中、約20時間二人とも寝ずのセーリングを続け、最後はAMHASと1海里差でMILAIはトップフィニッシュすることができました。

精神的にも体力的にも厳しい戦いでしたが、最終的に勝つことができ本当に嬉しいフィニッシュでした。

途中、MILAIには大きなラッキーもありましたが、最後20時間のセーリングで走り負けることなく逃げ切れたことは、後半戦にも大きな自信に繋がりました。

2022年11月25日
2週間のセーリングの緊張から解放、南国の楽園タヒチを満喫!

今回は寄港地であるタヒチの滞在記を鈴木がお届けします!

Koji(中川紘司)さんと共にフィニッシュした第4レグ、フランス領ポリネシアのタヒチ島にGlobe40のフリートは2週間滞在します。まずは地元のレストランで久しぶりに手作りの料理を楽しみました!

タヒチ島の南端まで2人でドライブしました!とりあえず記念撮影。2週間のセーリングの緊張から解放されてリラックスモードです。

レースビレッジには、その昔ポリネシアの人たちが乗ってきたとされるカタマラン(ホクレア)のレプリカがありました。海図もGPSもない時代に、これに乗ってハワイからタヒチまでやってきたとは、本当に尊敬します。

マリーナには多くのクルージングカタマランが並びます。タヒチ島の他にも自然豊かな島がポリネシアにはあり、みんな時間をかけてゆっくり回るそうです。いいなぁ。

夕焼けとMILAI号(船)。ニュージーランドでしっかり整備できたので、ここでは大規模な整備はせず、ゆっくりできました。久しぶりの休息です。後ろの山は対岸に浮かぶモーレア島です。

対岸のモーレア島にやってきました。自然が豊かで本当に楽園です。

ビーチから20mほどの距離で珊瑚が広がります。水の透明度も凄いです。

MILAIと共に世界一周をしているマイルくん。各寄港地でキーホルダーをコレクションしています。だいぶ増えました。世界一周最後まで一緒に頑張ろう!