AISの基礎知識

AISの仕組み

AISって、何?

AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)とは、一般にエーアイエスと呼ばれ、洋上を航行する船舶同士が、航行情報を相互に交換するための装置です。
衝突予防と人命安全という観点から、SOLAS条約によって定められる対象船舶への搭載が義務化されました。

運用の目的は、(1)船舶を識別すること、(2)目標物の追跡を支援すること、(3)航海情報の交換を容易にすること、(4)衝突防止に役立つ情報を提供すること、(5)無線電話による船舶通報を減らすことです。

このため、AIS装置は常に電源をオンにしておく必要があり、停船中であっても、自船の船舶情報を発信し続けることで、どこから眺めても当該船の居場所がクリアにわかるシステムになっています

情報交換はどのようにして行われているの?

AISは、陸上に設置される設備と、船舶に装備する装置で構成されています。

陸上施設は通常、海上交通センターに設置されており、船舶にはAIS装置が装備されています。AIS装置からは、自船の識別符号、船名、位置、針路、船速、行き先など個別データがVHF電波により自動的に発射され、付近を航行している他船や、海上交通センターで受信される仕組みとなっています。

通信範囲は?

AIS専用周波数(チャネル)は、VHF帯海上移動業務用周波数の中から割り当てられています。
VHF帯電波の通信範囲は基本的にアンテナからの見通し範囲に相当し、およそ20~30 NM(37~56 km)となります。(アンテナ高さや環境等、他の条件によっても左右されます。)

船舶間衝突予防の観点では、遠方の船舶よりも近接船舶の動静把握が肝心であるため、AISの通信範囲は十分であると云えます。

国内のAIS基地局サービスエリアは?

VTS運用の観点では、港湾内は混雑必至であるので出来るだけ港湾の遠方から管制を行いたいという要望があります。
陸上に設置する1局のAIS基地局(AIS海岸局)の通信範囲では管制範囲として不足する場合は、複数のAIS基地局を設置・連携する事によって管制範囲を拡大します。
我が国では海上保安庁により「AISを活用した次世代型航行支援システム」としてAIS基地局の整備が進められました。

2004年の東京湾とその周辺海域を含む第3管区におけるシステム運用開始の後、順次整備され、2009年の南九州を管轄区域とする第十管区におけるシステム運用開始をもって(一部の離島を除く)日本全国の沿岸がカバーされました。

最新のAIS陸上局のカバーエリアは海上保安庁の運営する以下のサイトで閲覧できます
AISを活用した航行支援システム

AISの構成

装置の構成・機器系統図

GPSアンテナとVHFアンテナが統合された複合空中線部を用いる場合を示しており、この場合は分配器を利用します。

フルノのAIS(Class A AIS)は、主に、トランスポンダ部、表示部、空中線部(VHFアンテナおよびGPSアンテナ)から構成され、相互にケーブルで接続します。

トランスポンダユニットに様々な航海機器を接続することで、他の船舶へ送信する船位・船速などの自船情報を収集し、逆に他舶から受信した情報をレーダー、ECDIS、プロッタ、パソコンなどの表示装置へ送出します。

AIS情報の表示

表示部によるAIS情報表示

表示部では、AISを搭載している他船の進路や、自船との距離・方位、ターゲット一覧、アラーム情報などを表示することができます。

また、衝突防止のために、あらかじめCPA(他船が自船に最接近する時の距離)とTCPA(CPAとなるまでの時間)のしきい値を設定しておくと、他船のCPAおよびTCPAがしきい値よりも小さくなったときに警報音を鳴動しつつ”Collision Alarm”というメッセージを表示させることができます。

ただし、通常の航海では、AIS表示部の画面を直接見ることは余りなく、AIS装置とつながったレーダー、ECDIS、プロッタなどの画面上でAIS情報を確認します。

レーダーやECDIS、プロッタ画面上のAIS情報表示

レーダーやECDIS、プロッタでは、画面上にAISターゲットの情報を重畳表示させることが可能です。

たとえばレーダー画面上でのAISターゲットの情報は、図のようにシンボルマークとして表示されます。相手船の動きが対地船速に応じてベクトル長が変化するようになっており、船速と針路の把握が容易です。

AISターゲットは、レーダー映像のように大きな島や半島、雲、雨などの障害物の影響を受けることがありません。また、レーダーの映像調整機能(雨雪除去機能や、海面反射除去など)により消えることもありません。
このため確実に他船の存在、動きを確認することができます。

AISシンボルの種類

AISターゲットの表示は、一目で状態が区別・把握できるように図のようなシンボルが使い分けられています。

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