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アシストGPSとは

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GPS受信機が自身の位置を求めるためにはGPS衛星からの信号を受信すること、受信したGPS衛星の正確な位置を知ることが必要です。(GPSについては、「GPSとは」を参照)
GPS衛星は自らが発する信号の中に、自身の軌道データを航法メッセージというデータに含ませています。このデータは30秒ごとに一区切りとするデータで、そのうちの最初の18秒に含まれているデータに、エフェメリスといわれる正確な衛星位置を知るためのデータがあります。

GPS受信機は各GPS衛星の信号を受信し、信号内に含まれる航法メッセージを解読し、それを使って各GPS衛星の正確な位置を求め、さらにその衛星位置に基づいて自分の位置を計算しています。つまりGPS受信機が航法メッセージを持ってない状態では最低エフェメリスを保持するまでは受信機の位置を求めることができません。

次にGPS衛星の信号を受信出来る信号レベル(eRideOPUS 7は -161dBmまで受信可能です)に比べて、受信した信号から航法メッセージを解読するにはそれよりも高いレベルの信号が必要です。その信号レベルは一般的に-145dBmまでとされています。(eRideOPUS 7は -147dBmまでの信号を解読可能です)GPS受信機がエフェメリスを得るには-145dBm以上の信号を一定時間(最低18秒)継続して受信しなければなりません。

この信号レベルはGPS受信機を郊外の天空の開けた場所で使用するには充分なレベルですが、遮蔽物の多い環境で使用していると-145dBmを下回る信号しか受信できない場合があります。例えば、建物の中では-145dBmより弱いレベルの信号しか受信できなかったり、ビル街のような環境では継続して-145dBm以上の信号が受信できなかったりします。この場合、衛星からの信号が受信できてもエフェメリスの解読ができず、GPS受信機の位置を求めることが出来ません。

最後にエフェメリスの有効期限は、現在の衛星運用では最大で4時間で、この時間を越えたエフェメリスは衛星の位置計算に使用出来ません。過去にGPS受信機が得たエフェメリスもやがては使えなくなるため、定期的(2-4時間毎)にエフェメリスを更新する必要があります。

以上より建物の中のような弱い信号しか受信できない環境でGPS受信機を使う場合は、エフェメリスにあたる衛星の軌道情報を、GPS衛星以外から定期的に得る必要があります。このデータをアシストデータといい、アシストデータを使用して位置計算を行うGPS受信機をアシストGPSといいます。アシストデータは、インターネット等のネットワーク上に構築したアシストサーバからアシストGPS受信機に提供することができます。

アシストデータを使うことによってGPS受信機は下記の利点を得ることができます。

  • 高感度な信号レベル(eRideOPUS 7では-161dBm)で位置を求め続けることができる。
  • GPSを稼動させ、アシスト情報を得てから数秒で位置測位できる。
  • 最も電力を消費するGPS衛星から航法メッセージを取得して位置測位するまでの時間を減らすことで消費電力を抑えることができる。

さらにFURUNO/eRideのアシストGPSは以下のデータを提供することができ、より便利で正確で確実な測位が可能となります。

  • 最大で7日間有効な衛星軌道データ
    通常より衛星軌道データを更新する期間が長くなります。
  • 正確な時刻データ
    GPS受信機がRTC(リアルタイムクロック)を持たなくても測位可能です。
  • 電離層データ
    より正確な位置を求めるために利用できます。
  • 衛星の健康データ
    使用できない衛星の排除に利用できます。
  • 前回稼動したときの受信機データ
    再稼動時の測位の性能を上げるために利用できます。
  • 世界中のおおまかな高度
  • DGPS補正データ(予定)

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