GPS/GNSS受信機は、衛星信号を受信することで、位置だけでなく正確な時刻を算出できます。時刻の情報は、時刻同期や正確な周波数を必要とする携帯電話基地局、地デジ放送局、無線システムなどのインフラに活用されています。
このページでは主に、時刻に注目して各種用語の説明をおこないます。また、関連するGPS/GNSSの一般用語についても説明します。
フルノのGNSS受信機(GF/GT-88シリーズ)に適した内容となっております。
「※」は特に、フルノ独自の用語になります。
衛星の種類 | ICD |
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GPS | IS-GPS-200 Revision H,IRN003 28 July 2016 |
GLONASS | Navigation Radiosignal in Bands L1, L2 Version 5.1 2008 |
Galileo | EUROPEAN GNSS(GALILEO) OPEN SERVICE SIGNAL-IN-SPACE Issue 1 revision 3 December 2016 |
QZSS L1C/A | IS-QZSS-PNT-002 29 January 2018 |
QZSS L1S | IS-QZSS-L1S-002 13 April 2018 |
衛星 | MIN | MAX | 備考 |
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GPS | 1 | 32 | PRN Noと同じ |
SBAS | 33 | 51 | PRN Noから87引いた値 |
GLONASS | 65 | 96 | PRN Noと同じ |
QZSS L1C/A | 93 | 99 | PRN Noから100引いた値 |
QZSS L1S | 83 | 89 | PRN Noから100引いた値 |
Galileo | 1 | 36 | PRN Noと同じ |
WARMUP | 電源投入直後の、内部クロックの安定待ちをしている状態です。 |
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PULL-IN | GNSS受信中であり、GNSSから得られた時刻をもとに、VCLK周波数とPPSを同期対象に同期させている途中の状態です。 |
COARSE LOCK | GNSS受信中であり、GNSSから得られた時刻をもとに、VCLK周波数とPPSが同期対象に同期している状態です。ただし、FINE LOCKよりも同期精度は粗くなります。 |
FINELOCK | GNSS受信中であり、GNSSから得られた時刻をもとに、VCLK周波数とPPSが同期対象に、精度よく同期している状態です。 |
HOLDOVER | GNSSが受信できなくなった時、事前にホールドオーバのための学習が完了していれば、このモードに遷移します。発振器の周波数経年劣化特性や周波数温度特性を考慮した最適な制御を自動で行い、自走状態よりも良好な周波数とPPSを提供します。 |
OUT OF HOLDOVER | ホールドオーバが終わった後か、ホールドオーバのための学習を満たしていない状態でGNSSが受信できなくなった時、このモードに遷移します。 |
固定位置 | TOモードを利用する場合に設定する固定点の位置を、このように記載する場合があります。 |
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推定位置(位置推定) | 固定位置を算出する過程の、まだ十分に位置精度が収束しきっていない状態の位置を、推定位置と呼称する場合があります。 また、推定位置を算出している過程を、位置推定と呼称する場合があります。 |
NAVモード | Navigationモードの略です。緯度・経度・高さ・速度・方位・時刻を毎秒計算します。位置・速度・方位を毎秒更新するため、移動体で用いる場合に適しています。 |
TOモード | Time Onlyモードの略です。事前に用意した固定位置を利用することで、時刻のみを毎秒計算します。NAVモードと比べて時刻精度の安定性に優れており、固定点での使用に適しています。 |
SSモード | Self Surveyモードの略です。緯度・経度・高さ・時刻を毎秒計算します。 TOモードを利用したいが、固定点の位置がわからない、といった場合に本モードが適しています。一定期間中に得た位置情報をもとに固定点の位置を高精度に算出し、算出後、そのまま自動でTOモードに遷移します。 本モードで固定位置を計算するためには、SBASを除く4つ以上の衛星を受信する必要があります。ただし4衛星未満となっても、1衛星以上あれば、それまでに算出した固定位置の情報を利用して、TOモードと同等の処理を行い、時刻を適切に更新し、正確な1PPSや周波数を維持することができます。 |
CSSモード | Continuous Self Surveyモードの略です。SSモードと近しい処理を行いますが、SSモードが電源OFF時に固定位置の計算過程を破棄するのに対して、CSSモードはその計算過程をBBRAM(記憶領域)にバックアップし、再通電後も電源OFFする前の計算過程を使って固定位置の算出を継続します。 |