フルノECDIS (電子海図情報表示システム) FMD-3200/FMD-3300

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フルノECDIS (電子海図情報表示システム)FMD-3200/FMD-3300は、画面上に電子海図、AIS、IMOレーダー等の情報をはじめ、船位、方位、船速などの航海情報を表示し、航路計画と航行監視において操船者を支援するシステムです。国際航海に従事する500トン以上の旅客船、および3000トン以上のタンカー・貨物船に対し、2012年7月から段階的にECDIS搭載が義務化されることを受け、フルノECDISは「使いやすさ」にこだわった仕様を採用しています。

フルノECDIS FMD-3200/FMD-3300は、マルチファンクションディスプレイ機能やECDISオペレーションモード(航行監視、チャートメンテナンス、航路計画)の切り替えなど、必要なタスクに素早くアクセスできるように設計されています。また、トラックボールモジュールを通じてパソコンに近い直感的な操作を実現しました。さらに、高速プロセッサと強力なグラフィックエンジンによる超高速なチャート描画や、スムーズなズームイン・画面スクロールが特徴です。

特長

マルチファンクションディスプレイ対応による自由度の高い機能切り替えが可能
実装機能:ECDIS、コニングディスプレイ、レーダー*1、アラートマネジメントシステム*2

*1 レーダーセンサーのネットワークへの接続が必要となります。
*2 レーダー、アラートマネジメントシステム機能の追加は、ソフトウェアアップデート(オプション)を通じて行う事ができます。

 

高速プロセッサと強力なグラフィックエンジンによる超高速なチャート描画を実現

 

画面上で海図情報や重畳された航海情報を基に、正確かつ迅速に計画航路を決定することが可能

詳細な変更も簡単に行え、各種センサーからのデータ表示による航行監視をサポートします。

 

HUB-3000を介して航海用レーダーFAR-2xx8シリーズ/FAR2xx7シリーズとLAN接続をすることで、レーダー/TTオーバーレイや、ルート情報、目的地情報等の共有が可能

 

以下のIMO性能基準、及びIEC試験規格に準拠

  • IMO A.694 (17)
  • IMO MSC.191 (79)
  • IMO MSC.232 (82)
  • IMO MSC.302 (87)
  • IEC 60945 Ed. 4
  • IEC 61162-1 Ed. 5
  • IEC 61162-2 Ed. 1
  • IEC 61162-450 Ed. 1 AMD1
  • IEC 61174 Ed. 4
  • IEC 62288 Ed .2

対応チャート

  • IHO/S-57 Edition 3 ベクトルチャート (IHO S-63 方式暗号化)
    • Admiralty Vector Chart Service by UKHO
    • C-MAP CAES
    • Jeppesen Primar ECDIS Service

  • ARCS raster chart
  • C-MAP Professional+
    C-MAP Professional+は、プライベートチャートです。
    よって、紙海図の代替として航海目的に使用することはできません。

  • Admiralty Information Overlay (AIO) 対応

海図刊行後の水路、沿岸、港湾等の状況変化や航海上注意を要する海域の情報を含むUKHO(英国海軍水路部)が発行する最新の水路通報(一時関係通報、小改正通報)を一枚のデータレイヤーとして海図上に重畳表示することが可能です。AIOは、UKHOのAVCS(The Admiralty Vector Chart Service)に含まれる無償のサービスです。

AIOデータレイヤー表示

チャートオブジェクトウィンドウ

センサーアダプター

各センサーと制御部間の配線をより少なく、装備を簡易にするセンサーアダプター採用

各センサーからのデータをセンサーアダプターに集約してチャートレーダー・ECDISへ供給するため、制御部につなぐ個別のケーブル数を減らすことができ、ネットワーク内の他のECDISやレーダーとの航海センサーデータ、チャート、ルートの共有を行う事ができます。

センサーは、制御部(シリアル8ポート)に直接つなぐこともできますが、

  • センサー信号を複数のチャートレーダー・ECDIS制御部に入力したい場合
  • センサーの数が制御部のポート数(シリアル入力/出力8ポート、デジタル入力1ポート、デジタル出力6ポート)を超えている場合
  • アナログセンサーがネットワーク内にある場合

上記の条件に当てはまる場合は、センサーアダプターが必要です。センサー信号を複数のチャートレーダー・ECDISへ供給するには、センサーアダプターからスイッチングハブHUB-100を介して制御部へ接続する方法と、複数台のセンサーアダプターを用意し、制御部と直接つなぐ方法があります。

ユーザーインターフェース

新ユーザーインターフェイス体系の採用によるPC操作と一貫性を持った操作を実現

ECDIS操作部

FMD-3200/FMD-3300の全ての操作は、ECDIS操作部及びトラックボール操作部のトラックボールモジュールから行う事ができます。 トラックボールのスクロールでカーソル移動、左クリックで選択など、PCと同じように操作できます。

  1. 専用ボタンとノブで簡単にEBLの設定を行えます。
  2. 接続されているフルノ製表示部の輝度調整を行えます。
  3. レーダーオーバーレイの際のレーダー感度の調整を行えます。
  4. 専用ボタンとノブで簡単にVRMの設定を行えます。
  5. チャート、航行監視に関する警報及び警告の確認を行えます。
  6. インスタントアクセスバー™内のメニューアイテムを選択、実行を行えます。
  7. QWERTYキーボードで、ルート・イベントマーク・目的地名等の入力に使用することができます。
  8. 各ボタンには次の機能が割り当てられています。

    UNDO最後の動作を取り消すことができます。
    RANGEチャートスケールの選択に使用します。

  9. 各ボタンには次の機能が割り当てられています。

    VIEW/HIDEインスタントアクセスバー™とデータボックスの表示/非表示の切り替えができます。
    ACQ/ACT休止中のAISターゲットを活性化させます。
    TARGET DATATT、AISのターゲットデータボックスを表示させます。
    TARGET CANCEL活性化されたAISターゲットを休止状態に切り替えます。

  10. USBポート:チャートアップデート、目的地・ウェイポイントやルート情報等のインポート/エクスポートに使用可能です。
  11. トラックボールモジュール

    トラックボールカーソルの移動、オブジェクトの選択を行えます。
    左クリック実行するタスクの確認、実行を行えます。
    右クリックコンテキストメニューを開きます。
    ホイールメニュー画面やスクロールリスト内のアイテムのスクロールを行えます。

 

コンテキストメニュー
チャート表示エリア上やデータボックス上で右クリックすることで、その時点のカーソル位置において行うことができる全てのタスクが一覧で表示され、必要に応じてタスクを素早く選択、実行することができます。

ステータスバー・インスタントアクセスバー™

ステータスバーとインスタントアクセスバー™の組み合わせで、必要なタスクを素早く呼び出し、実行可能とするタスクベースのオペレーションスキーム

ECDIS FMD-3200/FMD-3300の操作体系は、操作上必要なタスクに素早くアクセスできるように設計された2つの操作ツール(ステータスバーとインスタントアクセスバー™)を中心に形成されています。画面トップにあるステータスバーは、マルチファンクションディスプレイ(MFD)/ECDISオペレーティングモード等、各種動作状態についての情報を内包しています。画面左側のインスタントアクセスバー™には、現在選択されているECDISオペレーションモードに対応した実行可能なタスクが一覧で表示されています。

これらのツールを活用することで、ユーザーは複雑なメニューの深い階層へアクセスすることなく、操船上必要とされる一連のタスクに素早くアクセスすることが可能となります。

 

プルダウンメニュー

ボタン右下にが表示されているボタン(ボタン画像)を左クリックすると、プルダウンメニューが展開され、カーソル位置で実行可能なタスクが一覧表示され、素早いタスクの実行が可能になります。

 

ステータスバー

 

インスタントアクセスバー™

インスタントアクセスバー™のトップにある←をクリックすることで、インスタントアクセスバー™を最小化する事ができます。 最小化されたインスタントアクセスバー™をクリックすると最大化する事ができます。 インスタントアクセスバー™の上部には、各ECDISオペレーションモードにおいて実行可能なタスク/機能を内包したボタン が配置され、それらのタスクに素早くアクセスする事ができます。インスタントアクセスバー™の下部には、航行監視モード および航路計画モードにてのみ使用可能な「Mini Conning」を除いては、選択されたECDISオペレーションモードに 関係なく、操作上必要なタスクが一覧で表示されます。

オペレーションモード

航行監視モード

航行監視モードでは、計画されたルートに対しての自船の動向の監視を行います、よって、航行監視に必要なタスクがインスタントアクセスバー™に網羅されています。

Select
監視するルートを選択するウィンドウを開きます。
Unselect
監視の対象となっているルートを監視の対象から解除します。
Move to plan
航路計画モードに切り替え、 監視の対象となっているルートやユーザーチャートを編集することができます。
Route INFO
ルート情報ダイアログボックスを表示し、監視の対象となっているルート内の各ウェイポイントの設定値やユーザーチャートの詳細情報の確認を行う事ができます。また、監視対象となっているルートやユーザーチャートに関する注記内容を確認することができます。
AISメッセージの送受信、確認、削除、およびNAVTEXメッセージの受信、確認、削除を行えます。
海路通報やNANTEXの警告情報のチャートの補正情報を手動で更新を追加、編集することができます。チャートの手動更新は、チャートを常に最新の状態にしておくために必要な作業となります。手動更新で設定した更新データを含む公式チャートが発行された際には、手動更新で設定した更新データを削除することができます。

  • 航路監視画面
  • レーダーオーバーレイ

 

チャートメンテナンスモード

チャートメンテナンスモードでは、システム内のチャートの管理を行う事ができます。

CDもしくはDVDからチャートデータを自動的にインストールします。
チャートセルのグループ化等、チャートの管理を行う事ができます。
チャートのカバーエリアやライセンスステータス等、システム内にインストールされているチャートの情報を網羅したチャートカタログを閲覧することができます。
チャートライセンス/パーミットのインストール、バックアップ、復元、エクスポート等の管理を行うメニューウィンドウを開きます。
IHO S-63で暗号化されたENCチャートを表示するためには、パブリックキーのインストールが必要になります。このボタンからパブリックキーをインストールするためのメニューウィンドウを開きます。パブリックキーは、新しいチャートをインストールする際、またはチャートをアップデートする際に、インストールする必要があります。パブリックキーは複数登録可能です。

 

航路計画モード

航路計画モードでは、ルートやユーザーチャートの作成、編集を行う事ができます。また、ルートやユーザーチャートに関する様々なレポートの閲覧をする事ができます。これらすべてのタスクはインスタントアクセスバー™からアクセスできます。

ルートの作成

Routeボタンをクリックすると、ルートプランニングメニューウィンドウが開きます。トラックボールモジュールを使用して、チャートに目的地を投入します。目的地の投入後に、各目的地の名称、各区間の操舵モード、旋回半径、航路幅等のパラメーターを入力することができます。

ユーザーチャートの作成

User chartボタンをクリックすると、ユーザーチャート作成パレットとメニューウィンドウが開き、ユーザーチャートの作成ができます。ユーザーチャートは、チャート上に重畳するシンボルとラインの組み合わせで構成されている情報レイヤーで安全航海に関連する情報(エリアやオブジェクト)を表示します。

レポート

目的地やルートに関するレポートや、潮汐、オブジェクト、エリア等に関するユーザーチャートレポートを確認することができます。

ガイドボックスを表示すると、ルート内の最後の目的地からカーソル位置までの距離と方位を表示します。
ルート、ユーザーチャートの削除を行えます。

ソフトウェアバージョン

ソフトバージョン 01.10
01.11
01.13
01.14
01.47
01.63
01.64
03.03
03.04
03.11
03.13
03.15
03.17
03.19
03.20
03.23
03.31
03.33
5.03※※
5.07※※
5.08※※
5.12※※
ECDIS試験規格 IEC 61174 Ed.3 IEC 61174 Ed.4 IEC 61174 Ed.4
使用可能チャート (ENC) S-57 Ed. 3.1,
S-57 Ed. 3.1.1 and
S-57 Maintenance Document (Cumulative) No. 8
使用可能チャート (RNC) S-61 Ed. 1.0
ECDIS
プレゼンテーション
ライブラリー
S-52 PresLib Ed. 3.4 S-52 PresLib Ed. 4.0 S-52 PresLib Ed. 4.0
ECDIS 表示色彩・記号仕様基準 S-52 Ed. 6.0 S-52 Ed. 6.1 S-52 Ed. 6.1
ENCデータ保護 S-63 Ed. 1.1.1 S-63 Ed. 1.2.0 S-63 Ed. 1.2.0
IHO CDS適合 S-64 Ed. 2.0.0 S-64 Ed. 3.0.1 S-64 Ed. 3.0.1
Bridge Alert Management (BAM) MSC.302(87) MSC.302(87) IEC 62923-1/2

※ これらのソフトウェアバージョンはすべてIEC 61174 Ed.4規格に対応しております。そのため、これらのソフトウェア間のアップデートは必要ございません。
※※ このソフトウェアバージョンは、 MED Implementing Regulation (EU) 2020/1170に適用される船舶のみ必要です。

ソフトウェアアップデートのご要望、ご質問は弊社営業担当までご連絡ください。

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