Radar Technology

見るべきものを
見やすく表示させる技術

海面や雨雪からの反射波(クラッタ)は、レーダー画面上に不要なエコーとして表れます。
それら不要なエコーを取り除き、注視すべきターゲットを確実に把握するためには、常に海況に応じた画面調整を行う必要があります。
また、夜間など視界が悪い環境下での、確実な他船動向把握や、魚群に群がる海鳥の探知においては、それぞれに適した映像調整が求められます。
このような背景の下、フルノのレーダーには、不要なエコーを取り除き、見るべきもの見やすく表示させるための様々な技術を搭載しています。

信号処理(EAV:エコーアベレージ)Echo Average

小さなターゲットのエコーを安定表示

信号処理(EAV:エコーアベレージ)

他船は映し出し、ノイズを抑える

信号処理(EAV:エコーアベレージ)は、スキャン相関とフルノ独自の判定技術により、画面上の不要なエコーを抑え、他船などのエコーをより識別しやすくする技術です。

徐々に浮き出る他船の存在

EAVを有効にすると、海面反射など画面上に不規則に表れるエコーは薄くなり、他船などの安定的に表示されるエコーのみが濃く、強調されて表示されるようになります。

パイオニアだからこそできる技術の進化

フルノが世界で最初に実用化に成功したEAVは、多数のユーザーからのフィードバックをもとに、常に進化し続けています。
特に漁船向けレーダーでは、海況や目的に応じて使い分けられるよう、数種類のEAVが搭載されており、最新の機種ではよりアバを見やすく表示させるEAVも登場しています。

※ 魚網につける浮子(うき)

スキャン開始時
徐々に海面反射のエコーが低減
他船のエコーのみが安定表示
動画
  • エコーのトレンド分析を行う信号処理技術
  • 海面反射や雨雪反射による不要なエコーを抑制し、他船を強調
  • 長年培ったノウハウにより、見やすく使いやすく進化

自動クラッタ除去機能
(Automatic Clutter Elimination, ACE)Automatic Clutter Elimination

映像調整の完全自動化

自動クラッタ除去機能

1ボタンで自動映像調整

自動クラッタ除去機能 (Automatic Clutter Elimination, ACE)は、信号処理(EAV)をベースにした、フルノ独自の高度なアルゴリズムにより、あらゆる海況において、常に最適な映像調整を自動で行う技術です。

偽像までをも抑制可能

ACE機能を有効にすると、海況に応じた海面反射除去(SEA)、雨雪反射除去(RAIN)などの映像調整が自動で適応されます。さらに、従来のマニュアル映像調整では消すことが難しかった偽像までをも抑制できるようになりました。
通常のゲインとは独立したACE実行中のゲイン(ACEゲイン)の調整も可能なため、ユーザーにとって見やすい映像表示をより簡単に行うことが可能です。

※偽像の抑制程度は装備状況や海況によって異なります。

周囲のワッチに集中できる

ACEは海況が変化しても常時最適な映像設定を適応し続けるため、ユーザーは映像調整の手間から解放され、より周囲のワッチに集中することができます。

OFF画像
ON画像
動画
  • 海況に応じた海面反射除去(SEA)、雨雪反射除去(RAIN)などの映像調整を自動化する信号処理
  • マニュアル映像調整では消すことが困難な偽像までをも抑制
  • 映像調整の手間を軽減し、周囲のワッチに集中可能

レゾ・ブーストRezBoost™

信号処理による分解能向上で、確実なターゲット識別を支援

レゾ・ブースト(RezBoost™)

フルノ独自の高分解能化信号処理

RezBoost™は高度な信号処理により、映像の高分解能化を実現する先進技術です。
RezBoost™を適応することで、同じレーダーセンサーを使用しても、見かけ上のビーム幅がシャープになり、方位分解能が飛躍的に向上します。

視界不良時にも、確実に他船を識別

方位分解能が向上することで、他船同士や他船と岸壁が近接している場合のターゲット識別が、より分かりやすくなり、夜間など視界不良時にも、確実な周囲の状況把握を支援します。
マリーナへの入港時における、港内そして周辺の構造把握における誤認識の防止にも効果を発揮します。

空撮写真(現地)
OFF画像
ON画像
  • 見かけ上のビーム幅をシャープにし、方位分解能を向上させるフルノ独自の信号処理技術
  • 視界不良時の確実な周囲状況の把握を支援
  • マリーナへの入港時にも効果を発揮

海鳥探知技術/バードモードBird Detection Technology/Bird mode

魚群に群がる鳥をより見やすく

海鳥探知技術/バードモード

鳥がレーダーに映った!

1986年、プロ漁師向けに世界で初めてフルノが実用化した海鳥探知技術は、高出力の電波を使用し、双眼鏡では見えない最大20NM※1までの海鳥を捉えることで、海鳥の下を泳いでいる魚群を見つける技術です。

レーダーに鳥は映らない?

もともとレーダーには鳥は映らないという常識がありましたが、商船向けのSバンドレーダーを使用中、遠くに鳥らしき反応が映ったことをヒントに、フルノが漁船向けに独自に開発したSバンドレーダーが"海鳥レーダー™"です。
目視では見えない遠くの海鳥を映し出す"海鳥探知技術"は、現代漁業にはかかせないツールとして、広く普及しています。

プレジャーボート向け海鳥探知機能「バードモード」

漁船向けの製品開発にて培った技術を、小型船向けのXバンドレーダーに応用し、海鳥探知に最適な自動感度調整を実現したのが「バードモード」です。
プレジャーボートで使用されているXバンドレーダーは、近~中距離※2の海面に近い海鳥を探知するのに適しており、回遊魚を対象としたフィッシングを楽しむユーザーに、新しい魚との出会い方を提供しています。

海鳥の飛行状態によっては、一羽から海鳥を捕捉することができます。
さらにエコートレイルと組み合わせることで、海鳥の移動している方向を捉えることも可能です。

  • ※1 出力60KWのSバンドレーダーで条件が整った場合
  • ※2「バードモード」対応レーダーにおいて、条件が整った場合、4~6NM先の海鳥を探知できます。
Sバンドレーダーで捉えた海鳥の反応(16NMレンジ)
Xバンドレーダーのバードモードで捉えた海鳥の反応
動画
  • 世界初の海鳥探知技術を、小型軽量化によって、漁業の当たり前に
  • 最大20NM先の鳥を確実に捉える脅威の探知性能
  • プレジャーボート向けに、海鳥探知に最適な感度調整を自動で行う「バードモード」

※ 出力60KWのSバンドレーダーで条件が整った場合