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建設DX関連記事 スターリンクで建設現場のネットワークが快適に
~導入のメリットや、検討すべきポイント~

山岳の現場など、携帯回線が繋がらず、光回線を敷くのも困難な環境で、スターリンクが活用されるケースが増加しています。機器の設置が簡単で、快適な通信ができることがメリットです。
当社はStarlinkインテグレーターであるKDDIと業務連携し、建設現場向けにスターリンクのサービスを提供しています。今回はスターリンクを導入した際のメリットや、導入時に検討しておくべきポイントを解説します。

 スターリンクの仕組み

スターリンクは低軌道(LEO)衛星通信であり、これまでの静止軌道衛星に比べて高度が低いため、通信の遅延が少なく、高速なデータ伝送が可能です。衛星が低い高度で周回するため、比較的狭い領域しかカバーすることができませんが、最終的には12,000機が打ち上がり、全世界をカバーできるようになります。
山岳や離島の環境など場所を問わず、高速なインターネット回線を構築できることがスターリンクの魅力です。スターリンクをゼンゲンバLANシリーズの回線として活用することで、さまざまな現場でWi-Fiの利用が可能となり、活用いただける機会が増えました。

 Starlink Businessとは

スターリンクには法人向けのビジネスプランがあります。ビジネスプランでは、優先的な通信帯域が割り当てられるため、個人利用のプランよりも高速かつ安定した通信を実現できます。

建設現場でご利用の際は、まずStarlinkキットを設置する住所(緯度・経度)をお伝えいただく必要があります。ビジネス固定プランの回線契約では、Starlinkキットを複数の現場に移設して利用することはできません。
また、月あたりの通信容量に応じてプランがあり、通話程度のご利用であれば40 GByteプラン、映像伝送を計画している場合は1 TByteプランをおすすめしています。ひと月の通信容量が契約の容量を超えると、一定の速度制限がかかりますので、注意が必要です。ご契約時には、このようにご利用場所と回線プランを事前に決めていただく必要があります。

 気をつけておきたいこと

設置場所

スターリンクは北の空にある衛星と接続されるため、アンテナを設置する場所から見て、北の空の見通しが良いことが設置条件となります。山岳の場合、木が生い茂っていることで、見通しが十分取れず、安定した通信接続ができないケースがあります。そのため、アンテナの適切な設置場所を検討いただく必要があります。

電源の確保

スターリンクの消費電力は常時120 W程度と高く、電源の取れない環境では、大容量のポータブル電源や発動発電機が必要となります。その場合でも、稼働時間は半日程度となりますので、連続動作をさせるには電源供給が課題となります。

契約先

スターリンクは公式サイト、もしくは当社含む代理店を通じた契約になり、その他の業者が販売することは認められておりません。Starlink社の規約に触れた場合は、回線の利用停止を受ける可能性が高いため、契約先は注意が必要です。

 さいごに

このようにスターリンクの導入には検討事項も必要ですが、簡単にどこにでもインターネット回線を構築できるため、クラウドベースのプロジェクト管理や、その他新技術やツールの導入がスムーズに行えます。
電話やFAXの需要は未だありますが、インターネット回線があれば、050アプリでの通話、インターネットFAXなどの導入も可能です。電話回線の設置コストも削減できるため、スターリンク導入のメリットは大きくなります。

導入に関してご不明点がありましたら、まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。

記事のライター

石野祥太郎

石野 祥太郎   建設DXジャーナル初代編集長/古野電気株式会社

無線の技術者として新技術や製品開発に従事、建設DXの社内プロジェクトを推進

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