- 時刻同期用GNSS受信機
型式
GF-102/103/105S/105G
- NEW
L1/L5デュアルバンド受信と5つの防御線による多層防御設計。
マルチパスや衛星異常からジャミング・スプーフィングまで、あらゆる脅威を多層的に防御。
万が一の際も能動的ホールドオーバーが時刻出力を守り続けます。
※2026年11月上市予定
- GNSS(時刻同期・車載/産業)
特長
高安定な周波数と正確なタイムパルスを、ワンモジュールで
GF-100シリーズは、デュアルバンドGNSS受信機、高精度発振器、制御回路をワンモジュールに統合したGNSS基準周波数発生器(GNSS Disciplined Oscillator)です。
UTC(協定世界時)に同期した正確なタイムパルス(1PPS)と、高安定な基準周波数(10 MHz)を出力。お客様のシステムに組み込むだけで、GNSS脆弱性対策を含む高品質な時刻同期機能を実現できます。
GNSS受信機メーカーとしての知見を活かした独自設計により、外付けCPUが不要。設計工数の削減とタイムトゥマーケットの短縮に貢献します。
L1/L5デュアルバンド受信 — シングルバンドの先へ
GF-88シリーズはL1帯シングルバンドで高い時刻精度を実現してきました。GF-100シリーズは、新たにL5帯を加えたデュアルバンド受信に対応します。
2つの周波数帯を同時に受信することで、電離層による伝搬遅延を補正し、時刻精度をさらに向上させます。
GPS(L1 + L5)、Galileo(E1 + E5)、QZSS(L1 + L5)をはじめとするマルチGNSSに対応。多数の衛星を活用し、受信環境の安定性を高めます。
GNSS脆弱性対策におけるL5帯の役割については、多層防御セクションをご覧ください。
多層防御 — GNSS受信を守る5つの防御線
各種業務用無線や放送、データセンター、ローカル5G、重要インフラなど、GNSS時刻同期を導入するシステムは年々増えています。同時に、マルチパスやジャミング、スプーフィングといった脅威も現実のものとなり、「GNSS信号を受信できている」だけでは安心できない時代を迎えています。
GF-100シリーズは、日常的な受信環境の劣化から意図的な妨害まで、GNSS受信におけるさまざまな脅威に対して多層的に防御する設計(Defense in Depth)を採用。4つの盾と最後の砦が時刻同期を守り続けます。
以下、各防御線の概要です。より詳しくは技術白書をご覧ください。
都市部や窓際などマルチパスが発生しやすい環境では、反射波が時刻精度を劣化させます。
GF-100シリーズは、受信中の衛星信号の品質をリアルタイムに評価し、信号品質の高い衛星を動的に選択する「ダイナミック・サテライト・セレクション™※」を搭載。悪受信環境でのタイミング性能の劣化を最小化します。
- NTTが考案したアルゴリズムに基づく耐マルチパス技術
GNSS信号のL1帯(1575.42 MHz)は広く利用されている一方、ジャミング(妨害波)の標的にもなりやすい周波数帯です。
GF-100シリーズはL1帯に加えてL5帯(1176.45 MHz)を受信するデュアルバンド設計を採用。さらに、L5帯の完全独立サーチに対応しており、L1帯に依存せずL5帯だけで衛星を捕捉できます。L1帯が妨害を受けても、L5帯で時刻同期を継続します。
また、ジャミング信号の周波数やレベルを検出して監視する機能も備えており、原因究明にも貢献します。
衛星の故障、大気の異常、反射波の残留など、衛星信号の品質が劣化する要因はさまざまです。品質の悪い信号をそのまま使用すると、時刻同期の精度が低下します。
GF-100シリーズは、T-RAIM(Timing Receiver Autonomous Integrity Monitoring)を搭載。受信中の衛星信号の信頼性を常時評価し、整合性のとれない異常な信号を自動的に排除します。正常な衛星信号のみを使用して、時刻同期を継続します。
悪意をもったなりすまし信号(スプーフィング)は、GNSS受信機が算出する時刻を意図的に誤らせることができます。
GF-100シリーズは、GalileoのOSNMA(Open Service Navigation Message Authentication)およびQZSSのQZNMAに対応。衛星から送信される認証情報を用いて、受信信号が本物であることを検証します。認証に失敗した信号はなりすましと判断し、排除します。
上記4つの防御線をすり抜ける事態が万が一発生しても、GF-100シリーズは時刻出力を止めません。
GF-100シリーズの能動的ホールドオーバーは、ジャミングやスプーフィングの影響を検知すると、自動的にGNSS信号から離脱し、内蔵発振器による自走運転に移行します。従来のホールドオーバーが「受信できなくなったら自走する」のに対し、能動的ホールドオーバーは「異常を検知したら自ら離脱する」という点で、根本的に異なります。
フルノ独自の発振器制御技術で発振器の振る舞いを予測して補正。GF-105S / GF-105Gでは±1.5µs / 24時間のホールドオーバー性能を実現します。
能動的ホールドオーバー
GF-88互換のコンパクト設計 — Shortフォームファクタで最上位性能
GF-100シリーズは、全機種でGF-88シリーズとのハードウェア互換性を確保。基板レイアウトやコネクタ配置を変更することなく、既存機器への置き換えが可能です。
小型化を優先するShortフォームファクタ(GF-102 / GF-103 / GF-105S)と、GF-8804/8805からの直接置き換えに最適なGrandeフォームファクタ(GF-105G)をラインナップ。設計要件に応じて選択いただけます。
GF-88シリーズでは、±1.5µs/24時間のホールドオーバー性能はGrandeフォームファクタ(GF-8805)でのみ実現していました。GF-100シリーズのGF-105Sは、Shortフォームファクタ(34 × 27 × 15.5 mm)で同等の性能を達成。実装面積を約80%削減しながら、最上位のホールドオーバー性能を提供します。
製品ラインナップ — 用途に合わせた4機種
GF-100シリーズは、ホールドオーバー性能と筐体サイズの異なる4機種をラインナップ。多層防御をはじめとするGNSS脆弱性対策は全機種共通です。システムの要件に応じてお選びいただけます。
多層防御をはじめとするGF-100シリーズの機能を、コストを抑えて導入できるモデルです。業務用無線基地局やローカル5Gなど、広域に多数配置するシステムに適しています。
型式 | フォームファクタ | ホールドオーバー(24h) | 特長 |
GF-102 | Short (34×27×15.5mm) | < ±20µs | 基本性能とコストパフォーマンスを両立 |
GF-103 | Short (34×27×15.5mm) | < ±5µs | 幅広い用途で選ばれる定番モデル |
最上位のホールドオーバー性能(±1.5µs / 24時間)を実現するモデルです。通信、電力、金融、放送など、高い時刻精度と堅牢性が求められる重要インフラに適しています。
型式 | フォームファクタ | ホールドオーバー(24h) | 特長 |
GF-105S | Short (34×27×15.5mm) | < ±1.5µs | 小型筐体で最上位性能を実現 |
GF-105G | Grande (100×52×14.1mm) | < ±1.5µs | GF-8804/8805からの置き換えに最適、正弦波出力 |
型式 | フォーム ファクタ | 1PPS確度 (ロック) | ホールドオーバー (24h) | 10MHz短期安定度 (ルートアラン分散τ=1s) | サイズ(mm) |
GF-102 | Short | < ±40ns | < ±20µs | < 5×10⁻¹¹ | 34×27×15.5 |
GF-103 | Short | < ±40ns | < ±5µs | < 2×10⁻¹¹ | 34×27×15.5 |
GF-105S | Short | < ±40ns | < ±1.5µs | < 1×10⁻¹¹ | 34×27×15.5 |
GF-105G | Grande | < ±40ns | < ±1.5µs | < 1×10⁻¹¹ | 100×52×14.1 |
周波数とタイムパルスの位相関係
周波数とタイムパルスの位相関係は常に一定(コヒーレント、ジッターレス)です。
1衛星での出力
1衛星だけの追尾で周波数とタイムパルスの出力が可能です(移動体測位モード除く)。
外部パルスへの同期
外部から入力したタイムパルスへの同期が可能です。ネットワーク経由で取得した時刻情報(IEEE1588やSyncE)への同期用途など、システムのロバスト性を向上させます。
推奨アンテナと組み合わせて、性能を最大限に発揮
GF-100シリーズの多層防御性能を最大限に発揮するには、アンテナ選定も重要です。
L1/L5デュアルバンド対応の時刻同期用アンテナです。高いノイズ耐性とIP67の耐環境性能を備え、GF-100シリーズのデュアルバンド受信をフルに活用できます。
ジャマーテスト参加実績 — 実環境で検証された堅牢性
GF-100シリーズの多層防御は、カタログスペックだけでなく、実際のジャミング・スプーフィング環境下で検証されています。
フルノは、ノルウェー・アンドーヤで開催されるGNSS脆弱性のテストイベントに2024年より継続参加しています。このイベントでは、実際のジャミング信号やスプーフィング信号が放射される環境下で、GNSS受信機の耐性を検証します。
2026年9月のイベントにて、GF-100シリーズの実環境テストを実施予定です。
これまでのテスト参加で得られた知見は、GF-100シリーズの多層防御設計にフィードバックされています。実環境で確認された脅威パターンに基づいた設計が、GF-100シリーズの堅牢性を支えています。
仕様
全般
GPS L1C/A, GLONASS L1OF, Galileo E1B/E1C,BeiDou B1I /B1C, QZSS L1C/A, SBAS L1C/A
GPS L5, Galileo E5a, BeiDou B2a, QZSS L5, NavIC L5
62チャンネル
衛星捕捉: ≧ -148 dBm
衛星追尾: ≧ -163 dBm
*GNSSシミュレータを使用した測定環境
G.8272 PRTC-A 準拠
G.8272 PRTC-B 準拠
*TDEV (Time Deviation) / MTIE (Max Time Interval Error)に準拠
< 5分
矩形波
SIN波(GF-105Gのみ)
GF-102
長期安定度(24H 平均):< ± 1 × 10⁻¹²
短期安定度(ルートアラン分散[τ =1s]):< 5 × 10⁻¹¹
GF-103
長期安定度(24H 平均):< ± 1 × 10⁻¹²
短期安定度(ルートアラン分散[τ =1s]):< 2 × 10⁻¹¹
GF-105S/105G
長期安定度(24H 平均):< ± 1 × 10⁻¹²
短期安定度(ルートアラン分散[τ =1s]):< 1 × 10⁻¹¹
1PPS 確度:< ± 40ns (対UTC)
1PPS 精度:< 4.5ns(1 σ)
*オープンスカイ
GF-102
長期安定度(24H 平均):< ± 1 × 10⁻⁹
短期安定度(ルートアラン分散[τ =1s]):< 5 × 10⁻¹¹
GF-103
長期安定度(24H 平均):< ± 2 × 10⁻¹⁰
短期安定度(ルートアラン分散[τ =1s]):< 2 × 10⁻¹¹
GF-105S/105G
長期安定度(24H 平均):< ± 3 × 10⁻¹¹
短期安定度(ルートアラン分散[τ =1s]):< 1 × 10⁻¹¹
GF-102
1PPS 確度:< ± 20μs/24h
GF-103
1PPS 確度:< ± 5μs/24h
GF-105S/105G
1PPS 確度:< ± 1.5μs/24h
GF-102/103/105S
DC 3.7V
GF-105G
DC 5.5V
GF-102/103/105S
200 mA(Typ)
GF-105G
170 mA(Typ)
-40℃ ~ +85℃
ショート / オープン検出
GF-102/103/105S
34mm × 27mm × 15.5mm
GF-105G
100mm × 52mm × 14.1mm
PFEC( NMEA 0183 Ver4.30 準拠)
アンチジャミング、耐マルチパス(ダイナミック・サテライト・セレクション™)、アンチスプーフィング、ホールドオーバー、T-RAIM、アンテナ電流の異常検出機能、TAI出力
評価キット
マルチGNSS基準周波数発生器の性能を評価するための評価用キットです。
USBでPCと接続して通信をおこない、タイムパルス(1PPS)と基準周波数(10MHz)をSMA端子から出力します。
電源とGNSSアンテナを接続するだけで簡単にご使用いただけます。
■付属品:GNSS アンテナ
技術白書
GNSSに起因する代表的な障害について、それぞれ技術白書をご提供します。
個々の障害に対して、受信機側ではどのような対策をしているのか、効果の程度、製品の選び方などを時刻同期専門のエンジニアが図表を交えながら解説します。
初めてGNSS受信機をご検討されるお客様はぜひ目をお通しください。
技術白書「シングルバンドで時刻精度4.5ns(1σ)」とあわせて5種類まとめてダウンロードできます。
GNSS時刻同期分野の専門エンジニアが、OSNMAおよびQZNMAを「現場でどう使えばよいか」について約20ページにわたって分かりやすく解説します。
見積り依頼
GNSS製品のご購入・お問い合わせ
電子部品商社の岡本無線電機株式会社が運営する通販サイト「E-JUNCTION」です。GNSS受信機やGNSSアンテナ、各種評価キットなどを取り扱っております。
- 外観・仕様に関しては予告なく変更する場合があります。予めご了承ください。