
型式
FAR-30x5シリーズ
安心・安全な社会・航海の実現に向けて、長年培ったレーダー技術を様々な用途に応用展開。
氷やオイルなど、特定のもの探知したい、とい うより高度な要求に応えるレーダー探知性能の実現に加え、外部機器との組み合わせによる、複合的なソリューション提案により、海上から陸上まで多様な課題解決に取り組んでいます。
従来の船舶用レーダーでは、電波の生成にマグネトロン(電子管)を使用するマグネトロンレーダーが一般的でしたが、近年は固体素子(半導体)を使用した固体化レーダーへの注目が高まっています。フルノでも固体化レーダーを開発・実用化しており、さらに固体化レーダーならではの特長を活用し、今までにない新たな価値提案を行っています。
固体化レーダーアンテナ ラインナップ
マグネトロンは使用するにつれて劣化が生じるため定期交換が必要ですが、固体化レーダーに使用される固体化素子は劣化が生じないため、交換に伴うコストや手間を削減できます。 大型商船や陸上の監視局など、レーダーの連続稼動が必要とされる用途ではメンテナンス性向上のため固体化レーダーの導入が進んでおり、今後ますます拡大することが予想されます。
レーダーアンテナDRS4D-NXTを接続したNavNet TZtouch2 映像例
固体化レーダーでは、電波の位相情報を活用したドップラ信号処理が行えます。これにより、マグネトロンレーダーにはない先進的なターゲット検知機能を実現できます。
固体化レーダー 映像例
送信周波数にばらつきがあるマグネトロンレーダーとは異なり、固体化レーダーでは決まった周波数の電波を生成することができます。占有する周波数帯幅が少なく、電波資源の効率的な活用に貢献します。
氷の割れ目や流出したオイルなど、特定のターゲットを探知したいという高度な要求に対し、レーダーで取得したエコー情報に特別な処理を加えてそれらを見やすく表示するなど、レーダー探知技術を応用したさまざまな取り組みをおこなっています。
氷上を航行する船舶
北極など、海面が氷に覆われている地域の航海においては、高い耐氷能力を持ったアイスクラス船や、砕氷船が活用されています。これらの船舶が安全かつ効率的に航行するためには、既に氷が割られたルートを選ぶことが重要です。この氷の割れ目をより見やすく映すレーダーとして、アイスレーダーが誕生しました。
アイスレーダー映像例
レーダーの電波の性質として、滑らかな氷の表面では、ほとんどの電波が送信方向へ反射されるため、レーダーアンテナへの反射波が弱くなります。これに対して、氷の割れた部分では、電波がさまざまな方向へ反射されるため、氷の表面に比べ、レーダーアンテナへの反射波が強くなります。
アイスレーダーではこの氷の割れた部分で反射された電波のエコーをより見やすく表示するための工夫を施しており、直感的なルート判断を可能にしています。
さらに氷の状態を確認しながらも、航海用レーダーとしても使用できるように特別な信号処理を搭載しています。
海上の流出オイル回収風景(イメージ)
オイルレーダーは、海難事故などにより海面に漏れ出たオイルの流出範囲をレーダーによって検出することで、迅速なオイル回収を支援し、環境保護に貢献することを目的に開発しました。
オイルレーダー映像例
海面におけるレーダーへの反射波の強さは、波の高さによって異なります。オイルは海水と比べ粘性が高いため、オイルで覆われた海面は、周囲と比べて波が立ちにくくなり、結果として電波が反射しにくくなります。オイルレーダーには、この波の立たない海面を分かりやすく表示するための特別なアルゴリズムを搭載しています。
さらに自動でオイル流出の範囲を特定し、専用のモニターに描画する機能も搭載しています。
集中豪雨による被害風景(イメージ)
局地的短時間集中豪雨(ゲリラ豪雨)や竜巻による被害など、世界的な異常気象の問題が問われる中で、局地気象を予測するソリューションの構築が急務となっています。2013年、フルノは長年の船舶用レーダー開発で培われた小型化技術や固体化技術を活用することで、世界最小・最軽量級のドップラ気象レーダーを開発しました。
大型気象レーダーの補完観測に最適な小型・軽量レーダー
フルノの小型気象レーダーでは、従来の大規模な気象レーダーでは困難とされてきた街中の既存の建物や、山間部への設置が可能になります。
局所地域の観測や、高層を広範囲に観測する大型の気象レーダーでは捉えることのできない低層から発達する積乱雲の雨粒を検知し、集中豪雨に対する警戒態勢を早期に構築できます。
電波で捉える雨雲や雨粒
気象レーダーはアンテナから電波を発射し、雨雲中の雨粒と、落下中の雨粒に当たって返ってきた反射波の時間と強度を計測することで、雨雲や降雨の位置、そして雨の強さを計測します。
気象レーダーアンテナ内部の動き
気象レーダーは、船舶用レーダーと同様にアンテナを回転させながら電波を発射し、雨雲を観測します。ただし、船舶用レーダーとは異なり、周囲360度1回転するごとに、上方向に少しずつ角度を上げていき、立体的に周囲の雨雲観測を行います。
二重偏波を用いた計測
ドップラ気象レーダーには、水平偏波のみを利用するレーダーと、水平偏波と垂直偏波を同時に利用する二重偏波のレーダーがあります。二重偏波ドップラレーダーを使うと、降雨強度をさらに正確に算出することができます。
これは、落下する雨粒が大気および重力の影響を受けて横長の楕円体の形状で落下するという特徴を利用し、水平方向と垂直方向の雨粒の粒径を同時に計測することで実現しています。
500m上空の雨雲の風向風速を表示
風雨の強い地域では、突風被害を予防する目的で、ドップラ気象レーダーが導入されています。複数のレーダーで計測されるドップラ速度から、上空の風向・風速を面的に算出することが出来ます。これにより、風向風速計を設置することが難しい、海上の風を高時空間分解能で監視することが可能です。風向・風速の変化をモニタリング画面に表示するとともに、アラームやメール通知することで、局地的な気象にいち早く対応することが可能です。
福井市と富山市に3基ずつ、小型気象レーダーを設置
1. B-DASHプロジェクト
福井市と富山市を対象とした「都市域における局所的集中豪雨に対する雨水管理技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」において、フルノの気象レーダーシステムが採用されています。この実証事業では、3基の気象レーダーによって構成されるマルチレーダーシステムを活用することで、積乱雲の早期検知など、より高度な観測を実現しています。
気象レーダーを設置した観測車両
2. オーストラリアでの山火事拡散予想
気象レーダーの小型・軽量化により、車両で簡単に運搬できます。
緊急災害時に任意の場所に移動して観測する用途にも活用されています。
フルノのレーダーは沿岸監視システムにも使用されています。
周囲の他船を捉えるレーダーを中心に、AIS、カメラや威嚇装置を組み合わせ、海上交通官制、洋上プラントやイケスの監視、海洋土木作業における周囲の安全確保など、目的に応じた複合監視システムの構築・提供を行っています。
管理端末 映像例
船舶用レーダーで培ったクラッタ除去機能と船舶探知技術を活用することで、見やすいレーダー映像表示と、確実な船舶の捕捉を実現しています。また、エコーやAIS情報を海図上に重畳し、各種レーダー操作もその画面上で行うことができます。その他ターゲットの一覧リストを自動生成する機能や画面の部分拡大/縮小機能など、高度化する監視業務を支援する独自のノウハウを搭載しています。
定置網/イケスの監視イメージ
沿岸にある洋上イケスでは、盗難被害を予防する目的で監視システムが導入されています。事前に設定した警戒エリアに、不審船が侵入したことをレーダーが検知すると、可動式のカメラによって自動的に不審船の外観を捉えるとともに、監視者のスマートフォン等にアラート情報を通知させることが可能です。
海洋土木工事作業の監視イメージ
海上土木作業向けには、周囲を航行する船舶の安全確保を目的に監視システムが導入されています。レーダーによって探知された船舶が特定の警戒エリアに入った場合、モニタリング画面上にその様子を通知させるとともに、船舶に対して、危険を伝える音声やLED表示板による警告を行うことが可能です。