02 他船の動向をより分かりやすくする技術
周囲に多数の船舶が密集して存在する輻輳海域においては、注視すべきターゲットの把握と、回避行動における迅速な判断が求められます。
しかし、多数の船舶の中から、自船に近づく"危険なターゲット"を見分けるには、継続的なレーダーの監視や、状況判断のための経験が必要になります。
このような背景の下、フルノのレーダーには、危険なターゲットを確実に、かつ直感的に把握できるようにすることで、ユーザーの状況判断を支援する先進的な技術が搭載されています。
ターゲットアナライザー™
危険ターゲットが一目で分かる
ターゲットアナライザー™
エコーの色分け表示で、危険な他船が丸分かり
ターゲットアナライザー™は、自船に近づき衝突の可能性がある危険ターゲットを判定し、異なるエコー色で表示する革新的な技術です。 注視すべき危険なターゲットを異なる色で表示することで、視覚的にわかりやすくなり、ユーザーへの早期の危険察知をサポートし、安全な進路選択、回避行動を支援します。
マグネトロンレーダーでも、固体化レーダーでも実現
フルノのターゲットアナライザー™には、固体化レーダーで行うドップラ解析方式と、従来のマグネトロンレーダーでもエコーの色分けを実現したエコー解析方式の2種類が存在します。
ドップラ解析
DRS-NXTシリーズに搭載されているターゲットアナライザー™(ドップラ解析)では、ドップラ効果を利用したターゲットの接近判定により、リアルタイムな危険ターゲットの判断が可能です。
自船に相対的に接近している危険ターゲットを赤色で、その他のターゲットを緑色で表示することができます。またRainモードであれば、雨雪反射のエコーを青色で表示します。
エコー解析
プロフェッショナル向け製品FARシリーズに搭載しているターゲットアナライザー™では、直近数スキャンで取得したエコーの特徴を解析することで、自船に衝突する可能性のある他船を危険ターゲットとして判定することができます。
エコー解析方式では、ドップラ解析より多くの種類のターゲット判定が可能であり、危険ターゲット以外にも、移動ターゲット、静止ターゲット、雨雪反射などのエコーを、それぞれ別な色で表示することができます。
さらに、エコー解析方式では、自船に接近しているターゲットのうち、自船と針路が重なり、衝突可能性のあるものだけを危険ターゲットとして判定します。
- SOLAS船向けのレーダーには搭載されていません。
- エコー解析方式における、エコーの色分けは、エコー色の設定により異なります。
ターゲットアナライザー™比較表
ドップラ解析 | エコー解析 | |
対象レーダー | 固体化レーダー | マグネトロンレーダー |
判定可能ターゲット | 危険(接近) | 危険(衝突可能性あり) |
判定速度 | リアルタイム判定 | 数スキャンのデータを |
エコー解析の映像例
エコー解析における雨雪反射を捉えた映像例
ドップラ解析の映像例
ドップラ解析におけるレインモードの映像例
紹介動画
主な搭載製品
真エコートレイル
他船の動きを、より直感的にわかりやすく表示
真エコートレイル
レーダーエコーの残像を表示
エコートレイルはレーダーエコーに対して、一定時間の残像(トレイル)を表示させることで、他船の動向(針路・速度)を視覚的に分かりやすくする技術です。
例えば、高速で移動する他船であれば長いトレイルが表示されますが、停泊中の船舶やブイなど、静止ターゲットにはトレイルが表示されません。移動している船舶が止まった場合には、徐々にトレイルが短くなっていきます。
エコートレイルの種類
エコートレイルには、真トレイルと、相対トレイルという、2種類の表示方法があります。
相対トレイルでは、自船を基準にした他船の相対的な動きが表示されます。一方、真トレイルでは、自船の動きとは無関係に、他船の陸地に対する真の動きが軌跡として表示されます。したがって、止まっている他船には軌跡を描きません。
感覚的な他船動向把握ができる真トレイル
真トレイルは、自船の上空から周囲を見渡した場合と、レーダ画面上での動きが同じイメージになるため、より感覚的に他船の動きを理解することができます。
フルノの真トレイルではヘッドアップモードでも利用することもできます。
- 真トレイルを利用するには、船首方位を取得するセンサーが必要です。
相対トレイル
自船を基準にしたトレイル表現
真トレイル
動かない陸地・水面を基準にしたトレイル表現
主な搭載製品
ファストターゲットトラッキング™
瞬時に他船を捕捉し、安定追尾
ファストターゲットトラッキング™
世界最高レベルの瞬時ターゲットトラッキング
ファストターゲットトラッキング™(ファストTT)は追尾したいターゲットを選択後、その動向予測を示す速度ベクトルを瞬時に表示する技術です。
格段に早くなったターゲット捕捉
従来のTTでは、ターゲットを選択してからその移動動向を計算するため、速度ベクトルを表示するまでに数十秒の時間を要していましたが、ファストTTでは事前に計算に必要なデータを保持しているため、ターゲット選択後すぐに計算を実行し、速度ベクトルを表示することが可能です。 ユーザーが動向を把握したい任意のターゲットに対し、瞬時に捕捉が行えるため、特に輻輳海域において他船動向把握に大きく貢献します。
安定捕捉と追尾性能が進化
ファストTTでは、進化したアルゴリズムにより、従来のTTに比べて追尾性能が大幅に向上しています。複数のターゲットが接近することで発生する捕捉ターゲットの乗り移りの抑制に加え、急旋回する他船に対しても高い追従性を実現しました。
ターゲットクリックで、即座に速度ベクトル(針路予測結果)を表示
紹介動画
主な搭載製品
リスクビジュアライザー™
衝突リスクを未然に防ぐ
※上記アニメーションはFR-10/12における表示例です。
他船との衝突回避に貢献
多くの船舶が行き交う輻輳海域では、他船の動きを常にウォッチし衝突回避に努めなければなりません。
リスクビジュアライザー™は、自船と他船の位置と動きから将来的に衝突のリスクがある危険領域を表示する技術です。
危険領域を可視化
他船が現在の針路・速度を維持したと仮定して、自船がそちらに針路をとると衝突の危険がある領域を表示し、衝突する危険がある場合に赤色表示・警報でユーザーに危険を通知します。ヒューマンエラーを低減して、状況把握・操船判断できるよう支援します。
避行操船技術への活用
リスクビジュアライザー™は、将来的に避行操船技術への応用が期待されています。
AIやセンサー技術を駆使し、他船や障害物との衝突リスクをリアルタイムで計算することで、操船者に安全かつ効率的な航行を提案できます。
避行ルート提示の基礎情報としての役割を果たすレーダー技術は、将来の海上交通の安全性向上に大きく貢献するでしょう。
機能別ターゲット表示例
(1) エコートレイルのみ
過去の他船動向と注意すべきターゲットを知ることができますが、未来のリスクを知ることはできません。
(2) ターゲットトラッキング+エコートレイル
ベクトルからはターゲットの針路と設定時間後の位置を知ることができますが、接近・衝突する位置を知ることはできません。
(3) リスクビジュアライザー™+ターゲットトラッキング+エコートレイル
リスクビジュアライザー™からは自船針路上の接近・衝突リスクだけでなく、自船が変針した場合のリスクも知ることができます。














