魚種ごとの反応

ブリを追う vol.8

今回はMFD(マルチファンクションディスプレイ)TZMAP9にチャープタイプの送受波器(B150M)を接続して得た探知画像を元に解説していきます。
このGPS魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

ブリを追う vol.8 魚探映像

GPSプロッタチャートの等深線では描かれていない海底起伏を魚探画面ではしっかり捉えている

この画像は、風と潮に任せて0.5ノット程度の船速でドテラ流しを行いながら撮影(画面キャプチャー)したものです。

この画像からは以下のような情報が得られます
  • 水深56.2メートル
  • 海底には起伏が多く変化に富んでいる
  • 海底付近には複数の魚群反応が映っている
  • 海底付近には単体魚反応が映っている

このGPS魚探画像はジギングでのブリ狙いの最中に撮影したものです。
GPSプロッタ画面中央に表示された自船位置付近の等深線はほぼ平行に描かれていますが、魚群探知機で実際に探知した海底は魚探画面にあるように起伏が在り、変化に富んだ海底地形となっています。

GPSプロッタチャートの等深線は測量船による測深データを元に作成しますが、チャートの縮尺に合わせて小さな凸凹(細かな根や溝など)は滑らかに均(なら)す「一般化(ジェネラリゼーション)」という編集の作業が加わります。つまり、海図を作成する上では縮尺の都合上、小さな海底起伏等は数多く省かれてしまうのです。その結果、今回のGPSプロッタチャート上はほぼ平行に描かれているような場所においても実際には様ざまな海底起伏が存在することになります。つまり、等深線を頼りに大まかな釣りエリアの絞り込みはできますが、実際にツリイトを垂らすポイントは魚探で海中を探知して地形を把握することが必要になります。

話を本題のブリ釣りのポイント探しに戻しましょう。
この魚探画面には海底起伏の上にベイトフィッシュらしき魚群が映っており、さらにその近くには大型青物と思われる単体魚も映っています。チャープ方式では反応表示が高精細なのでベイトフィッシュに紛れるように存在する大型青物の存在も認識しやすいメリットがあり、そのお陰で仕掛けを降ろす決断に至りました。
本命の大型青物が釣れる前にジグのフックにマルアジがスレ掛かりしたので、魚探画面に映っている中層の魚群の正体はマルアジだと言えそうです。海底に近い魚群の正体は経験上スズメダイやサクラダイだと思われます。

魚探画面をチェックしながら、ジグをベイトフィッシュのタナよりやや低い位置までフォールさせ、ジグがベイトフィッシュの中を通過するようにジャークさせると早々に何やら大物がヒット。一進一退の攻防の末、ネットインしたのは本命ブリ。関東ではワラサ、関西方面ではメジロと呼ぶ70センチ級のものでした。
GPSプロッタチャートに残っている航跡にあるとおり、付近を何度か流し直すことで、同サイズのブリをもう1尾追加することができました。

ブリを追う vol.8 釣果画像

メタルジグによるジギングにてゲットしたブリ。強烈な引きを存分に楽しませてもらった

ブリを追う vol.8 釣果画像

70センチ級のブリ(関東ではワラサ、関西方面ではメジロと呼ぶ)2尾

搭載機材

  • マルチファンクションディスプレイ 型式:TZMAP9
  • 8.4型、2周波カラー液晶魚群探知機 型式:FCV-800

水中動画

キビナゴの群れの近くに現れたブリの群れの映像です。サイズは50センチ級であり、関東ではイナダ、関西ではハマチと呼ばれるものです。
ブリは主に小魚やイカ類を捕食しますが、今回は捕食行動を確認することができませんでした。ブリが既に満腹だったのか? あるいは近くにダイバーが存在していたので警戒したのか?・・・捕食しなかった理由は不明です。
一方、キビナゴの群れは泳ぎ方が不規則で、大慌てしているように見えました。ブリが捕食行動しなくても、近くに存在しているだけでキビナゴにとっては大きなプレッシャーになっているのかもしれません。そういった意味でもブリへのアプローチ方法として魚群探知機を活用するにはキビナゴ等のベイトフィッシュとなりうる小魚の群れが不規則な動き方をしていたり、群れの密集度にムラがあるような状況をチェックすることが大切です。

この記事のライター
友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん
FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。