魚種ごとの反応

マダイを追う vol.17

今回はFCV-800にCW(連続波)タイプの送受波器(525-5PWD)とチャープタイプの送受波器(B150M)を同時に接続して得た探知画像を元に解説していきます。
この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

マダイを追う vol.17 GPS魚探映像

エコー色拡張機能により画面に映し出された高さ10メートルほどの凸部が岩礁ではなく漁礁なのでは?とヒントが得られた

この魚探画像は、船首に装備したエレキモーター(IPILOT)によってボートを1ノット程度の船速で走らせながら撮影(画面キャプチャー)したものです。

この画像からは以下のような情報が得られます
  • 水深57メートル
  • 海底底質がRCKS(岩)からSAND(砂)に変化した
  • 高さ10メートルほどの漁礁が存在した
  • 漁礁と砂地の境目付近に単体魚が存在する

当日はこの画面の撮影場所付近で60センチ級のマダイを釣ることができました。
この魚探画面には約10メートルの高さの漁礁が画面左側の方に映っています。ボートを流すことで画面撮影時にはボートは漁礁を外れて底質が砂のエリアに入りましたが、画面表示では過去の情報としてまだ漁礁を確認することができます。
漁礁とひと言でいっても様々な構造、様々な材質のものがあります。また設置後の経過年数によっても景観が変化するので当然のことながら魚探画面への映り方もいろいろです。

漁礁によっては自然界の岩礁と同じような表示になってしまうことも少なくないのですが、今回使用したFCV-800ではエコー色拡張機能を設定することで、漁礁内が一色に塗りつぶされずに済みました。具体的にいうと画面内の漁礁部分が概ね黄色となっている中に線状の緑色の部分が存在していることに注目しました。これは漁礁が複数段構造でその段差部分によりエコー波の強度に差異が生じたために線状の緑色の部分が表示され、この高低差10メートルは岩礁ではなく、複数段構造の漁礁だと認識することができました。

この漁礁付近を攻めた理由は漁礁と砂地との境目付近にマダイらしき単体魚が泳ぐ軌跡が表示されていたためです。また軌跡のみにとどまらず、アキュフィッシュ機能により「55」センチの単体魚が存在するという表示もあったことが決定打となりました。
またエコー色拡張機能を設定したことで海底に密接する魚群も海底とは明らかに異なるエコー色として表示してくれるので海底の凹凸ではなく、魚群だと認識できます。但し、この海底に密接する魚群はマダイではなく、ネンブツダイ、スズメダイ、サクラダイなどだと思われます。

マダイを追う vol.17 釣果写真

魚探画面に映った単体魚の反応をマダイと信じ、漁礁周りを丹念に流した結果60センチ級のマダイをゲットできた

マダイを追う vol.17 水中画像

漁礁と砂地の境目付近をゆっくり泳ぐ60センチ級のマダイ

使用機材

  • 9型ワイド、カラー液晶GPSプロッタ魚探 型式:GP-1971F
  • 8.4型、2周波カラー液晶魚群探知機 型式:FCV-800

水中動画

水深20メートルの漁礁周りで見かけた体長70センチ級のマダイです。付近にはキビナゴの大群が存在し、マダイはそれらを捕食するチャンスを見計らって付近一帯をゆっくり泳いでいました。マダイはエビやカニなどの甲殻類を捕食する時は海底付近を泳ぎますが、キビナゴやイワシ類などのベイトフィッシュを捕食する時はこの映像のように宙層を泳ぐことが多くなります。
映像ではわかりにくいのですが、マダイに対し、キビナゴが逃げまどっている様子も確認できます。このような時には魚群探知機に映るベイトフィッシュの群れの反応が一様な密度はなく、密度差や亀裂が生じたり、群れがイビツな形で映ることが多くなります。ベイトフィッシュの群れの密度が一様ではない時はそれらを捕食する何か大物が近くに存在すると思って間違いないでしょう。

この記事のライター
友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん
FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。